あなた、もしかして……こんな週末を過ごしていませんか?
土曜の朝、目が覚めたら真っ先にスマホを確認する。推しの公式Xに新しい投稿はないか。チェキの予約枠はまだ残っているか。次のライブまであと何日か。
気づけば、一日の感情の起伏がほぼ「推し」を中心に回っている。ライブ当日は心が踊る。握手会でほんの数秒、目が合う瞬間——あの感覚のためなら、交通費も遠征費も惜しくない。そうやって気づいたら、この数年で数百万円が消えていた。
でも、帰り道の電車の中で、ふと窓の外を見たとき。
「……俺、このままでいいのか?」
そんな言葉が、心の底からじんわりと滲み出てくることがある。誰にも言えないその感覚。あなたにも、心当たりがありませんか?
こんにちは、KAZUHAです。
都内の病院で現役ナースをしながら、このブログを書いています。バツイチ、シンママ、子どもたちは独立して今は「空の巣」状態(笑)。NLPのプラクティショナー資格を取ったのも、自分自身の恋愛迷子を卒業したくて、というのが正直なところ。
今日はね、ちょっと特別な話をしたいんです。わたしが実際にマッチングアプリで出会った、ある男性の話。彼の名前は、仮にKさんとしましょう。
Kさんのこと
Kさんと出会ったのは、わたしがマッチングアプリを使いはじめて3ヶ月目のことでした。
プロフィール写真は、どこかの屋外イベント会場らしき場所で撮ったスナップ。年齢は54歳、都内在住、会社員。自己紹介文には「趣味:音楽鑑賞・ライブ参戦」とだけ書いてありました。
正直、最初は「ふーん」くらいの印象でした(ごめんなさい笑)。
でも、最初のメッセージのやりとりで、なんか気になったんです。「音楽って、どんな音楽が好きなんですか?」と聞いたら、しばらく間があって。
「……アイドルです。20代の子が中心のグループで。こんなおじさんが言うのも恥ずかしいんですが」
その一文に、何かがありました。恥ずかしいとわかっていて、でも正直に言った。その誠実さに、わたしのナースセンサーが反応したんです。「この人、本音をちゃんと持っている人だ」って。
推し活に300万。その背景にあったもの
数回のメッセージのやりとりを経て、実際に会ってみると、Kさんはとても穏やかで話を聞くのが上手な人でした。ただ、ちょっぴり自信なさそうで、目を合わせるのをどこか避けている。
ナースとして長年いろんな患者さんと向き合ってきたわたしには、すぐにわかりました。この人、傷ついている。そして、その傷を隠すのに慣れてしまっている。
話が深まるにつれて、少しずつ本音が出てきました。
「離婚してから10年近く、ずっと一人なんです。推し活は……まあ、現実逃避みたいなものかな、って自分でも思ってます。でも、やめられなくて」「合計したら300万くらいは使ってると思います。グッズ、遠征費、チェキ……。貯金がヤバいのはわかってるんですけど」「リアルの女性と向き合うのが、怖いんですよね。また傷つくのが嫌で。アイドルは、俺を見て笑顔でいてくれるじゃないですか。それが”安全”な感じがして」
——ああ、そうか。
NLPで学んだ言葉で言えば、Kさんは「回避型の愛着パターン」に入っていました。本当は誰かに愛されたい、でも傷つくのが怖い。だから傷つかない場所——アイドルという「一方向の愛」——に逃げ込んでいた。
でもね、それって責められないんですよ。むしろわたしは、Kさんのことが愛おしいとすら思った。
だって、あの「推し活費300万」って、全部**「誰かを一生懸命好きになる力」**の証明じゃないですか。その情熱は、本物なんです。ただ向く方向が、ちょっとズレていただけで。
NLPで見えた、Kさんの「本当の問題」
ここで少しだけ、NLPの話をさせてください。
NLPには「ビリーフ(信念)」という概念があります。簡単に言うと、「自分や世界についての思い込み」のこと。
Kさんの場合、心の奥深くにこんなビリーフが刷り込まれていました。「ありのままの自分では、女性に受け入れてもらえない」
このビリーフがあるから、リアルな女性と向き合うことが怖い。傷つくことへの恐怖が先に来て、行動できない。
では、このビリーフはどこから来たのか。Kさんの場合、離婚の際に元妻から言われたひとことが深く刺さっていました。「あなたは私じゃなくて、理想と結婚したかったんじゃないの」——という言葉。その言葉が無意識のうちに「自分は人の愛し方を知らない」「また失敗する」という思い込みに変換されていたんです。
でも、ちょっと待って。それって、本当に事実ですか?
NLPでは、思い込みと事実を切り離す「リフレーミング」という技術があります。Kさんにこう聞いてみました。
「推しのグループの全員の誕生日、覚えてますか?」「はい、もちろん」「ライブで推しの調子が悪そうな時、気づきますか?」「すぐわかります。声のツヤとか、動きとか」「その子が卒業を発表した時、どうでしたか?」「……3日間、立ち直れませんでした」
わたしは言いました。「Kさん、あなたは人を愛せない人じゃないですよ。むしろ、深く愛しすぎるくらいの人じゃないですか」
その瞬間、Kさんの目が少し潤んだのを、わたしは見逃しませんでした。
転機——「ありのまま」で書いてみた
実はKさんがマッチングアプリを始めたのも、最初は本気じゃなかったと言っていました。「友達に半分冗談で勧められて、なんとなくダウンロードしただけで。どうせ俺なんかにいいねは来ないだろうと思ってたし、来ても怖くて返信できないと思ってた」
でも、プロフィールを「ありのまま」に書いてみた。趣味はアイドルの追っかけ、と。隠さなかった。
「どうせ引かれるだろうと思ってたんですけど、意外にいいねが来て。しかも『私もライブ好きです』とか『正直に書いてくれてる感じが好きです』って言ってもらえて……それがすごく嬉しかった」
ありのままで、受け入れてもらえた。その体験が、Kさんの「ありのままの自分では受け入れてもらえない」というビリーフを、少しだけ書き換えたんです。
NLPで言う「コングルーエンス(一致性)」——内側と外側が一致している人に、人は信頼と安心を感じます。「推し活が趣味です」と正直に書かれたプロフィールは、それだけで「この人は本物だ」というシグナルになる。盛ったプロフィールで始まった関係は、会った瞬間に崩れます。でも、ありのままで書いたプロフィールは、共鳴してくれる人だけを自然に引き寄せるフィルターになります。
Kさんが変わった、3つのこと
わたしがKさんと何度か会う中で気づいたのは、彼が少しずつ変わっていったことでした。
① 趣味を隠さなくなった
「この前のライブ、本当に最高で」「握手会でこんなことがあって」——そんな話を、照れながらも嬉しそうにしてくれる。その表情が、ものすごく可愛かった(笑)。好きなものを好きと言える人は、やっぱり魅力的なんですよ。
② 相手の気持ちを読もうとするようになった
推し活で培ったアンテナって、実は恋愛でも使えるんです。「ライブで推しの調子がわかる」って言ってたKさん、実は相手の微妙な感情の変化を読む能力がかなり高かった。「なんか今日、疲れてそうな感じがしましたけど……大丈夫ですか?」ってサラッと言えるの。それって、相手がすごく嬉しい気遣いの達人の素質ですよ。
③「完璧な自分」じゃなくていいと気づいた
Kさんはずっと「ちゃんとした男じゃないといけない」という思い込みがあった。でもマッチングアプリで出会う女性たちとやりとりをする中で気づいたんです。「みんな、不完全なままで一生懸命生きてる」って。それが、自分自身への許可になった。ありのままでいい、という許可。
わたしが思う、推し活男子の「隠れた魅力」
ちょっとここで、看護師&女性目線でぶっちゃけますね。
推し活に本気になれる男性って、実は女性からみてポテンシャルがめちゃくちゃ高いんです。
まず、一途。本命と決めたら一心に向かっていける。これ、恋愛でもそのまま使える最強の武器です。次に、観察眼がある。推しの微妙な変化に気づける人は、パートナーの体調や感情の変化にも気づける。看護師のわたしからすると、これは最強のケア能力です(笑)。そして、感情が豊か。ライブで泣けて、卒業に本気で落ち込める。その感受性は、愛情表現の豊かさに直結します。
「推し活に300万使ってきた」って、恥ずかしいことじゃないんです。それだけの情熱と愛情を注げるエネルギーがある、ということ。その矛先を、少しだけリアルに向けてみてほしいだけ。
あなたへの、KAZUHAからのメッセージ
もしあなたが今、「このままでいいのかな」とぼんやり感じているなら——それはダメな自分へのジャッジじゃなくて、次のステージへ進もうとしているサインだと思ってください。
虚しさは、変化への入り口です。
「今さら遅い」なんてことは、絶対にない。わたしが断言します。看護師として、何百人もの人生の最期に立ち会ってきたわたしが。後悔している人たちが口にするのは、「あのとき挑戦しなかったこと」であって、「あのとき挑戦して失敗したこと」じゃないんです。
Kさんは今、マッチングアプリで出会った女性と、ゆっくりと関係を育てています。推し活もやめてない(笑)。ライブは行く。でも、帰り道に「連絡してみようかな」と思える人が、リアルにいる。それだけで、世界がちょっと変わるんです。
最初の一歩は、アプリをダウンロードするだけでいい。プロフィールを書くだけでいい。ありのままで、書いてみてください。
あなたの「愛する力」は、本物です。
KAZUHAでした。

